大塚電子では、光干渉法と自社製高精度分光光度計により、非接触・非破壊かつ高速高精度な膜厚測定を可能にしています。光干渉法は、図2のような分光光度計を利用した光学系によって得られた反射率を用いて光学的膜厚を求める方法です。図1のように金属基板上にコーティングされた膜を例にとると、対象サンプル上方から入射した光は膜の表面で反射します(R1)。さらに膜を透過した光が基板(金属)や膜界面で反射します(R2)。このときの光路差による位相のずれによって起こる光干渉現象を測定し、得られた反射スペクトルと屈折率から膜厚を演算する方法を光干渉法と呼びます。解析手法は、ピークバレイ法、周波数解析法、非線形*小二乗法、*適化法の4種類があります。
半導体トランジスタは電流の通電状態を制御することで信号を伝達していますが、電流が漏れたり別のトランジスタの電流が勝手な通路を通り回り込むことを防止するために、トランジスタ間を絶縁するための絶縁膜が埋め込まれています。絶縁膜にはSiO2(二酸化シリコン)やSiN(窒化シリコン)が用いられます。SiO2は絶縁膜として、SiNはSiO2より誘電率の高い絶縁膜として、または不必要なSiO2をCMPで除去する際のストッパーとして使用され、その後にSiNも除去されます。このように絶縁膜としての性能、正確なプロセス管理のため、これらの膜厚を測定する必要があります。